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2006/3/2
連合が2006春季生活闘争「2.17パート労働者の集い」を開催
 連合は、2006年2月17日(金)14:00〜16:00に東京・千代田区公会堂で2006春季生活闘争「2.17パート労働者の集い」を開催し、構成組織・地方連合会・国会議員・一般市民など567名(女性281名・男性286名)が参加しました。
 この「集い」は、パート労働者等の均等待遇の実現のために、(1)「パート」であることだけを理由とする差別的取扱いの排除、(2)均等待遇の法制化実現をめざし、構成組織のパート労働者を中心に、組織外のパート労働者にも広く呼びかけ、パート労働者等の課題を社会的に大きくアピールしながら、当面する取り組みを強めることを確認するために開催されたものです。

 「集い」は、山口洋子連合副事務局長の司会で進められました。
古賀伸明連合事務局長 冒頭、主催者を代表して古賀伸明連合事務局長が、「社会の二極化が進行している中、格差を固定しないため、社会的な修正が必要だ。そのため、働く者全体の連帯やしあわせ、配分を考え、社会的運動に取り組むことが重要である。2006春季生活闘争では、「パート共闘」を初めて立ち上げ、パート労働者の待遇・処遇改善に連合として全力で取り組む。それぞれの立場でその意義を認識しつつ交渉に取り組もう。」と挨拶しました。

 政党からは、民主党・社民党から均等待遇法制化の報告も含めて挨拶をいただきました。
西村智奈美男女共同参画推進本部副本部長 民主党から西村智奈美男女共同参画推進本部副本部長(衆議院議員)が、「雇用の格差はどうにもならないところまできている。男女雇用機会均等法改正案は、男女双方の差別禁止、セクハラ対策強化が盛り込まれたことなどは、一定程度評価できるが、間接差別が限定列挙となったのは不十分。ワーク/ライフ・バランスの理念の明記、間接差別禁止条項の修正、雇用管理区分の撤廃を求めていく。民主党として、今国会にパート労働法の改正案を提出したい。同一価値労働同一賃金の確立に向けて総力を挙げて闘う。」と挨拶しました。
福島みずほ党首 また、社民党から福島みずほ党首(参議院議員)が、「弁護士時代に東京都の労働相談を担当していたが、法律はあっても現場の状況はひどかった。小泉政府与党は、働くものの実態を考えていない。均等法改正案は、修正を求めていく。競争社会を超えて共生社会とするため、ともに全力で頑張り、働くものの社会をつくり直しましょう。」と挨拶しました。

浜村彰法政大学法学部教授 続いて、浜村彰法政大学法学部教授より、「雇用の二極化と労働組合の役割」をテーマに、なぜ均等待遇原則の法制化が必要なのか、その背景と最近の論議の状況について、および今後労働組合に期待される役割として、
 (1)職場における法令違法状態の是正
 (2)パートの加入資格におけるハードルの撤廃、組合員として受け入れる
 (3)労使委員会の常設機関化の提起
 (4)日本的年功賃金制度の見直し
について、講演がありました。(詳細はこちら

桜田高明連合副会長・労働条件委員会委員長 連合の取り組み方針について、桜田高明連合副会長・労働条件委員会委員長が、「これまでの労働運動は、非典型労働者を同じ働く仲間としてとらえる運動が不十分であり、そのことが組織率の低下にもつながっている。2006春季生活闘争では、社会的メッセージも込め、大企業・男性中心から脱却し、中小・女性、非典型労働者に着目した運動に取り組むため、パート共闘会議とパート共闘連絡会議を設置した。パート共闘では、6項目の共闘目標を掲げているが、それぞれの組織における取り組み内容の情報開示による情報共有化が何よりも重要である。
また、パート労働対策本部も立ち上げ、トータルな政策の進捗を調整する。今まさに、8割の未組織労働者に対して連合が何ができるのかが問われており、強固な意志で頑張っていきたい。」と決意を表明しました。

 その後、3つの構成組織からそれぞれの取り組みが報告されました。

大出日出生UIゼンセン同盟常任中央執行委員 大出日出生UIゼンセン同盟常任中央執行委員:永年パートの組織化に取り組んできた立場から、経営者・既存の組合員・パート労働者の三者が笑う組織化の手法を追求してきた。パート労働者にとって納得性のある処遇であることが何よりも重要だ。

渋谷稔サービス・流通連合政策局部長 渋谷稔サービス・流通連合政策局部長:多くのパート労働者が活躍している流通業界における組織拡大、処遇改善の取り組みについて、納得性、最大限の能力発揮をめざし、息の長い取り組みとしていきたい。

平永稔JR連合教育・広報部長 平永稔JR連合教育・広報部長:JRグループの71単組でグループ労組連絡会を結成、本体労組との処遇格差改善、底上げをはかる取り組みを進めている。

 

 会場からは2名が意見を述べました。
 自治労兵庫県本部臨時・非常勤等職員協議会:公務職場の臨時・非常勤職員は雇用期限が定められている。市町村合併による人員削減もあり、雇用不安におびえている。年次有給休暇の付与、交通費支給などにも正規職員との格差がある。
 自治労広島県本部福山市職労:臨時・非常勤職員は地域においても低く見られている。雇用形態による格差について、人権問題の観点からも考えていくべき。

 最後に、山口洋子連合副事務局長が「本日の集いを皮切りに、今後何をなすべきかが問われている。すべての働くものの均等待遇実現に向けて本気で取り組みましょう。」と述べ、閉会しました。


−集会の様子(2月17日・千代田区公会堂)−
集会の様子(ステージ)   集会の様子(客席)


講 演 「雇用の二極化と労働組合の役割」 浜村彰法政大学法学部教授


1.なぜ均等待遇原則の法制化が必要なのか、その背景と最近の論議の状況
 経済が景気回復局面にある中、格差の拡大については、いろいろ数字を見ても議論の余地はない。格差拡大の背景の一つに雇用格差の拡大−雇用の二極化がある。日本では非典型雇用は35%まで拡大し、半分まで行くかという状況である。これはオランダについで世界で2番目に多い水準だが、日本の場合所得水準が低いのが特徴である。
 欧州でも非典型雇用は増加しているが、例えばフランスでは、均等待遇原則を守るため、非典型雇用とする事由について法規制を設け、格差拡大を阻止している。しかし、日本では、この間失業率が高止まりする中、受け皿拡大の意味もあり、契約労働・派遣労働など規制緩和の方向にあった。ILOの同一価値労働同一賃金原則は、日本の現状には適さない。しかし、不合理な差については均等処遇が必要であり、法規定化が必要だ。

2.今後労働組合に期待される役割
 これまでパートの処遇を改善しても正規労働者の処遇改善は進まないことから、パート組織化の取り組みは進まなかった。しかし、このまま正規労働者だけを対象としていては、既存の労組の組織基盤は崩壊していく。組合が職場従業員の過半数を維持できるかどうかで、足場をすくうような状態が進んでいる。パートの組織化は、組合が職場代表の地位を守るため、現実問題として突きつけられている。
これからの労働組合は何を期待されているか、について以下の4項目を挙げる。

(1)職場における法令違法状態の是正   例:マクドナルド店長の不払い残業問題
  まず告発して労働基準監督署へ訴えることにより、非典型労働者の信頼を得る必要がある。
(2)パートの加入資格におけるハードルの撤廃、組合員として受け入れる
 パートの労働条件向上が正規労働者の利害と対立した。その結果、組合員数を減らして、少数の特権階級と言われる状況である。この際、当事者でとことん議論して利害を調整すべき。
(3)労使委員会の常設機関化の提起
 労働契約法制研究会報告では、労働者代表として過半数組合の問題点を指摘しているが、新たな労働者代表制度が求められていることは否定できない。組合はこれを利用すべき。直接組織化できなくても、新たな制度を通じて未組織労働者をすくい上げる必要がある。
(4)日本的年功賃金制度の見直し
 日本の賃金制度は、年功・勤続など属人的な要因により決まる年功賃金が多く、同じ仕事でも賃金が違う現状にある。そもそも年功賃金は専ら男性が対象であり、家族も含め生涯保障賃金であった。これが男女間賃金格差の大きな原因、かつ均等待遇原則の障害となっている。
 生活給から仕事給へ、職務内容中心の賃金制度への変更がなければ、均等待遇の実効性がはかれない。生活給的要素が薄まると、それだけ社会保障制度の拡充をどう担保するかなど議論の余地はあるが、これが変わらなければ均等待遇といっても絵空事になるだけである。組合の指導のもとに賃金制度の抜本的見直しをやってほしい。

以 上

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